毎年、フランスからボランティアが来る。
たいていパリ周辺からだが、今年のハーベストにはブルゴーニュのディジョン近郊から来た。
名前は、モゥド。
アメリカでは聞いたことが無い名前だが、フランスでも珍しい名前のようだ。
彼女はボーヌでワインツーリズムの勉強をしている。
20年ほど前に私たちがディジョンに住んでいた事もあり、
彼女とは懐かしい話ができた。
その中で、コート・ドールの話が出た。
その昔?、やっと猫の絵のドイツワインが市場に出てきた頃、
まだ「ワインがどうのこうの」と言う人は皆無だったが、それでもワインの薀蓄を語る人はいた。
私は某有名なソムリエさんが主催するワイン勉強会に時々参加していたが、その会の参加者の一人のお医者さんがその薀蓄好きな人だった。
当時、インターネットなどもちろん無く、大したワイン関係の本も無かった。どのように知識を仕入れたのかと聞くと、彼はフランスや英国からワイン関係の本を取り寄せて勉強?したとの事。
あるとき、コート・ドール(黄金の丘)の由来の話が出た。
そのお医者さんが、フランスから取り寄せた本の写真を見せながら、
「晩秋、ヴィンヤードの葉が黄葉し、太陽の日が当たり黄金のように輝く事からコート・ドールと呼ばれる。」ようになった、と説明してくれた。
(その本の写真は白黒だった。今考えれば笑い話だが。)
私は自分の目で確かめないと気がすまない立ちなので、ディジョンに住んでいた頃、本当に「黄金の丘」になるのか確かめるためにデジョンとボーヌの間を車でよく走った。
ブルゴーニュの11月初旬となると、かなり寒く、そして雨かが多かった。そのため黄葉した葡萄の樹の葉はすぐに落ちてしまい、結局「黄金の丘」は見ることができなかった。
ボランティアのモゥドに「黄金の丘」を見たことがあるか?と尋ねると、勿論!と答えが返ってきた。
再度、「黄金色に輝く丘を本当に見たことがあるか?」と聞くと、私の質問の意図が分からないという。
よく確かめると、彼女が理解しているCote D'orは、「金の成る丘」だった。
つまり、1ボトル数百、数千ユーロのワインになる葡萄が栽培される丘なので、「金の成る丘」なのだ。
どちらに解釈しても良いと思うが、私は黄金色に輝く丘にしておく。
幻ヴィンヤードの黄葉もそろそろ終わりだ。(写真)

